位牌
亡くなった人の死亡年月日を記しておまつりするのが位牌です。位牌には白木位牌(野位牌)と、本位牌(黒塗り金箔つきや唐木位牌)があります。
白木位牌は葬儀のときに祭壇に安置し墓所に持ってゆくものです。これとは別に、忌明け法要の日までに本位牌を用意しておきましょう。
法要の日に僧侶が白木の位牌から魂をぬいて、本位牌に魂を入れてくれます。白木位牌は菩提寺に納めますので、仏壇におまつりするのは本位牌のほうです。 本位牌には、故人一人ひとり独立した[板位牌]と[繰出位牌・回出位牌(くりだしいはい)]があります。繰出位牌は合同位牌と言うべきもので、位牌が10枚くらい一緒に入るので命日の順に並べておきます。
※浄土真宗では位牌は用いません。僧侶にお願いして、法名軸か過去帳に故人の法名を書いてもらいます。
仏壇の意味
多くの日本人にとって仏壇は、位牌と共にご先祖様や亡くなった親族をお祀りし、対話をするためのものでしょう。ですが、「仏壇」の本来の意味は、文字通り、仏像や仏具を飾り、仏様を祀る台のことです。家庭の仏壇は、寺院にある仏壇(内陣)を小型にして、厨子と一体化して箱型にしたものです。ですから、仏壇は家の中のお寺のような存在です。自宅に仏壇を置いて祀ることには様々な意味があります。 仏壇に向かって亡くなった親族と対話することによって、その親族を失った心の悲しみを癒すことができます。アメリカで発達したグリーフケア(遺族を失った悲しみを癒すこと)も、日本の仏壇の風習を参考にしたほどです。
核家族化の時代ですが、仏壇は家族のつながりの象徴にもなります。お仏壇を通して、家族のつながりを確認し、家族への思いやりを強めていくことができるでしょう。
仏壇の種類
仏壇には[金仏壇]と[唐木仏壇]があります。金仏壇は正式には漆塗金仏壇と言い、漆と金箔の輝きが荘厳な印象を与えます。唐木仏壇(木地仏壇)は黒檀や紫檀のような銘木を使用し、落ちついた重厚な風合いを見せるお仏壇です。
仏壇はいつ買うのか?
お仏壇の根本の意味は仏様をお祀りすることですから、お仏壇はいつ買ってもかまいません。お位牌がなくて、お仏壇だけをお祀りしてもかまいません。
実際、浄土真宗はお仏壇の中にお位牌を置きません。 ですが、多くの場合はお仏壇を買うのは肉親が亡くなって必要に迫られた時でしょう。
四十九日の法要の後、お位牌が本位牌になりますので、この時までにお仏壇を用意するのがいいでしょう。
経済的な都合で、お墓とお仏壇を一緒に用意できない場合は、お仏壇を先に買う方がいいでしょう。
故人のお位牌を置いたお仏壇の方が、お墓よりも日常的に接するものだからです。
年忌法要も一つの機会です。そうすれば、年忌供養とお仏壇の開眼供養(魂入れ)を一度に行うこともできます。
仏壇の選び方
仏壇には様々な種類、様々な品質があって、当然、値段も違います。まず、自分が買いたい仏壇を決めなければいけません。
品質の違いは見た目ではなかなか分かりません。専門のホームページなどで、仏壇や仏壇店の基本的な知識を得ましょう。
そしてやはり、専門的な知識を持った良い仏壇店を選ぶことが何より大切です。
墓地について
墓地には地方自治体などが設ける「公営霊園」、非営利の宗教法人や公益法人が経営する「民間霊園」、寺院の所有する「寺院墓地」があり、 寺院墓地は普通、檀家に使用が制限されます。公営霊園は、さまざまな使用条件が付く場合が多いので確認が必要です。墓地の場所は距離や交通の便などを考慮して、お墓詣りのしやすい所を選びましょう。
緑はあるか、陽当たりはどうか、水道などの設備は整っているか、管理はどうか、なども墓地を選択するうえで重要なポイントです。
最近では、「ガーデニング霊園」や「永代供養墓」、「ペットと一緒に入れる霊園」など、様々な霊園ができています。
また、石材店を通して霊園を見学した場合、墓石はその石材店から購入しないといけないことが多いですので、あらかじめ、石材店についても調べておきましょう。
墓地の費用
お墓には次の3つの費用が必要です1.永代使用料
墓地の使用権に対する費用です。「墓地を買う」と言いますが、実際にいは「永代使用権を買う」ということになります。2.墓石費用
墓石の本体と外柵と工事費の3つが必要な建墓の費用とされます。3.管理費
墓地にある施設の維持・管理などに要する費用で毎年、支払うことになっています。墓石について
墓地を確保したら次は墓石の購入です。墓石には大きく分けて「和型」、「洋型」、「ニューデザイン墓石」の3種類があります。
また、一般的には石碑の他に、納骨堂・外柵・水鉢・香炉・拝石・塔婆立て・墓誌・つくばい・物置台・灯篭などが必要になります。
墓石の値段は、大きさ、デザイン、石材の材質によって様々です。石材店や代理店に相談して加工法や材質などを調整して予算にあわせるようにしましょう。