仏式葬儀の場合
焼香の際は、中央に進み出た時に焼香の前とあとに喪主・遺族は会葬者に軽く一礼するのが礼儀です。会葬者も軽く頭を下げて返礼します。一般会葬者も焼香の番になったら前とあとに着席している喪主・遺族に目礼をし、そのまま出口に向かい退席します。
神式葬儀の場合
神式では通夜を通夜祭と呼び、式を司る神官が斎主、進行の世話役は斎員と称します。祭儀に入る前に手水の儀といって桶に入れた水を柄杓ですくって手と口を洗い清め白紙で手を拭きます。手を清める時は水を三回に分けて注ぐのがしきたりです。
大まかな式次第は仏式と同じですが一番大きな違いは仏式が焼香を行うところで榊の枝に四つ折りの紙を付けた玉串を祭壇に捧げる事です。これを玉串奉奠の式といいます。そして故人の霊を遺体から霊璽に移す遷霊祭を行います。その後もう一度玉串奉奠を行って通夜式が終わります。
キリスト教式葬儀の場合
キリスト教ではカトリックは通夜の事を通夜の儀、プロテスタントは前夜祭と言います。カトリックは聖歌合唱で始まり聖書朗読、神父説教、祈り、献花、遺族挨拶が式次第です。プロテスタントでは讃美歌斉唱から始まりこれが三度間に入って式が進みます。キリスト教では神父や牧師が世話役を勤め進行役も兼ねます。葬儀はだいたいにおいて教会で行います。座る席順は喪主・遺族・親族が最前列に座るほかは他の人たちは席順には拘りません。
無宗教葬の場合
葬儀の式進行から仏教とかキリスト教とかの宗教色を抜いた、自由な形で行なう宗教を「無宗教葬」と呼んでいます。無宗教葬は個人葬では比較的少なく、団体葬や学校葬などの葬儀に見られます。
その場合には身近な人たちで密葬を先に行い、公的な葬儀を無宗教という形で行います。従って公的な葬儀では既に火葬を済ませている場合が多く、その場合は棺の代りに遺骨が遺影と共に祭壇に飾られます。個人的な家庭葬の場合は決まった形式と言うのはありません。
仏式葬儀の特徴である読経や焼香がなくその代わりに故人にゆかりのある音楽が流され、焼香の代わりに献花をする形が多く見られます。
団体葬の場合は本葬儀には葬儀を主催する団体が中心となってすべてが進行するようになります。